3 サウンド機能を使うための Linux の設定

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Linux でサウンド機能を使うための設定は以下のステップに従います。

  1. サウンドカードのインストール
  2. サウンド機能を使うためにカーネルを設定し再構築する
  3. 必要なデバイスファイルの作成
  4. うまくいったかのテスト

3.1 サウンドカードのインストール

サウンドカードをインストールにはメーカーの添付している指示に従うこと。 IRQ や DMA チャネル,etc.. のジャンパ設定は忘れずにメモしておくように。 もし不確かなら、出荷時の設定のまま使うのがいいでしょう。ただし、出来る だけ他のデバイス(例えばイーサネットカードや SCSI ホストアダプタなど)と は IRQ や DMA が重複しないようすること。

3.2 カーネルの設定

新しいカーネル(0.99pl14 以後)ならば、サウンドドライバはあらかじめカー ネルに含まれています。カーネルを作成する通常の方法に従ってください。カー ネルのソースを展開したディレクトリでmake config とすると、設 定用のプログラムがサウンドカードのどのオプションを設定するか、たずねて きます。プログラムの示すメッセージを注意深く読んで設定してください。

もし古いサウンドドライバから新しいものにバージョンアップするときには、 /usr/include/sys/soundcard.h/usr/include/sys/ultrasound.h が正しく /usr/include/linux の対応するファイルへシンボリックリンクされ ていることを確認してください。

カーネルの drivers/sound ディレクトリにある Readme には詳細な最新情報が書かれているので、あらかじめ目を通しておいたほう がいいでしょう。CHANGELOG ファイルには以前のバージョンからの 変更点と新しい機能についてまとめてあります。

3.3 必要なデバイスファイルの作成

初めてカーネルのサウンド・ドライバを設定したときには、サウンド用のデバイ ルファイルを作る必要があります。デバイスファイルを作成するもっとも簡単 な方法は、/usr/src/linux/drivers/sound のディレクトリにある Readme.linux (あるいはReadme)の最後に付いている短い シェルスクリプトを切りだして、root の権限で実行することです。

訳注 Readme.linux から必要な部分をエディタなどを使って切りだし、適当 な名前でセーブします(ここでは make-sound.sh とします)。ルートになって、 sh < make-sound.sh とするか、chmod +x make-sound.sh とそのファイルを実行可能にして、make-sound.sh を実行すれば、 サウンド用のデバイスファイルが作成できます。

もしあらかじめサウンドドライバ用のデバイスファイルが存在していれば、そ れらが正しいか確認したほうがいいかも知れません。例えば、 /dev/audio はメジャー番号 14、マイナー番号 4 になっている必要 があります。もし違っていたら、あるいは疑わしかったら、上記のスクリプト を走らせて既にあるデバイスファイルを更新しましょう。

古い Linux のディストリビューションにはサウンド用に間違ったデバイスファ イルを作ってしまうものもあります。/dev/MAKEDEV スクリプトを使 うのも手ですが、カーネルのサウンドドライバに附属のスクリプトは常に最新 のものなので、それを使うのが一番いいでしょう。

3.4 インストールのテスト

以下のステップに従ってサウンド関係のハードとソフトを確認します。

1. 新しいカーネルでリブート。

いつもの方法で新しいカーネルをインストールし、リブートします(もちろん、 不測の自体に備えて古いカーネルは保存しておきましょう)。

2. カーネルのイニシャライズ時にサウンドカードが認識されているかの確認。

以下に示すようなメッセージがブート時に表示されるかチェックします(もし 速すぎて読めないときは "dmesg" コマンドを使ってファイルに書きだすこと も可能です):


snd2 <SoundBlaster Pro 3.2> at 0x220 irq 5 drq 1
snd1 <Yamaha OPL-3 FM> at 0x388 irq 0 drq 0

サウンドカードの種類とジャンパ類の設定が正しく表示されねばなりません。

ドライバはブート時にエラーメッセージやウォーニングメッセージを示すかも しれません。サウンドドライバを設定した後、最初のブート時にはこれらのメッ セージを注意深く見守りましょう。

もしブート時にサウンドカードが見つからなければ、可能性は 2 つあります:

3. /dev/sndstat デバイスファイルのチェック

サウンドドライバのスティタス表示用デバイスファイルを調べればサウンドカー ドが正しく設定されているか、より詳しい情報を得られます。例えば、以下のよ うに表示されるはずです。


% cat /dev/sndstat

Sound Driver:2.5 (Wed Apr 20 19:57:25 EDT 1994 root@fizzbin)
Config options: 1aa2

HW config:
Type 2: SoundBlaster at 0x220 irq 5 drq 1
Type 1: AdLib at 0x388 irq 0 drq 0

PCM devices:
0: SoundBlaster Pro 3.2

Synth devices:
0: Yamaha OPL-3

Midi devices:
0: SoundBlaster

Mixer(s) installed

もし、cat コマンドが "No such device" というエラーを出せば、カーネル内 のサウンドドライバが動いていません。新しくコンパイルしたカーネルで立ち あげているか確認しましょう。

もしそれぞれのデバイス名が表示されなければ(PCM, Synth, Midi)、サウンド カードが認識されていません。"ハードウェアの設定"のセクションを読んで設 定を確認しましょう。

4. サウンドファイルのテスト

何かサンプルになるサウンドファイルを手にいれて、それをサウンドデバイス に書きだして正しく働くかチェックしましょう。例えば、


% cat endoftheworld >/dev/dsp
% cat crash.au >/dev/audio

snd-data-0.1.tar.Z にはいくつかサンプルのサウンドファイルが入っ ています。

5. 録音のテスト もし、サウンドカードにマイク等がつながっていれば、次のようにして簡単に テストすることが可能です:


# record 4 seconds of audio from microphone
% dd bs=8k count=4 </dev/audio >sample.au
# play back sound
% cat sample.au >/dev/audio

以上のテストにパスすれば、サウンド関係のハードウェア、ソフトウェアとも に動いていると考えていいでしょう。もし何かトラブルに見舞われたら、この ドキュメントの FAQ のセクションを読んでください。

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