PPP すなわち Point-to-Point Protocol はインターネットの「公式」プロト コルです。PPP は、シリアル接続を使って IP フレーム(と、その他)を交換す るためのプロトコルです。PPP に関する最新の RFC は 1661 で、その他、多 数の関連する RFC が存在します。
ある種の人々の想像に反して、PPP は、"Peer to Peer Processing" の略では ありません。もっとも、PPP 上に張られる TCP/IP のリンクはピア・ツー・ピ ア(一対一)の通信になっていますが。
一般論的に言うと、ダメです。「古典的な」 PPP のインプリメントでは、PPP を使うためには OS がサポートしている通信経路(routes)と利用しているネッ トワークデバイスを変更する必要がありました。つまり、リモートのコンピュー タのカーネルを PPP を使うために再構築する必要がある、ということです。
これは一般ユーザーの仕事ではありません。もし、あなたの組織の管理者に PPP が「有益だ」と信じさせることができれば、使えるようになる可能性があ るでしょうが、もし出来なければ、多分 PPP を使うことはできません。
しかし、"TIA"(The Internet Adapter) packeges を扱っている人たちにサポー
トされているシステムを使っているなら、希望はあります。私自身は、このパッ
ケージについてあまりよく知らないのですが、私の知るところによると、「次
のバージョン」で PPP をサポートする予定になっているそうです(私の情報は
古くなっているかも知れません。直接、彼らに聞いてみてください。TIA に関
する情報は ftp.marketplace.com
の /pub/tia
ディレク
トリにあります)。
もし使っているシステムが TIA にサポートされておらず、管理者たちに PPP
の有効性を信じさせることも出来ない場合、`term
' を使う必要があ
ります。いくつかのサービスプロバイダは `term
' を動かすことを
拒否しています。それには多くの理由がありますが、最大のものは `セキュリ
ティ上の問題'です。
Linux も TIA の移植もリストには上っています。
PPP は 2 つの部分に分れています。最初の部分はカーネル内にあります。 1.1.13 以上のカーネルでは、PPP のドライバはネットワークシステムのドラ イバの中に組みこまれています。
kernel に入っているドライバを pppd
パッケージに入っているドライバと入
れかえてはいけません !!!
残りの半分は `デーモン' プロセスである pppd
です。PPP を使う
には、このプロセスが必要になります。pppd のソースは
sunsite.unc.edu
の
/pub/Linux/system/Networking/serial
ディレクトリにある
ppp-2.1.2b.tar.gz
に入っています。
1.1.13 以前のカーネルでは、必要なドライバは pppd のコードの中に含まれ ていました。
「マニュアルを読みなさい」
まず README
ファイルを読み、次に README.linux
ファイ
ルを読みましょう。その他、関係するドキュメントは後述します。
Linux にインプリメントされた PPP についてはさまざまな情報が存在します。
README
ファイルREADME.linux
ファイル(和訳あり)Net-2-HOWTO
ドキュメント(和訳あり)pppd
の man ページHOWTO ファイルは Linux HOWTO のいつもの場所におかれています。現在は、
sunsite.unc.edu
の /pub/Linux/docs/HOWTO
ディレクト
リです。
Network Administration Guide は sunsite の
docs/linux-doc-project/nag
ディレクトリにあります。これは
O'Rielly and Associates から出版されていますので、もし専門的なドキュメ
ントが必要ならば、手近の本屋で買うのがいいでしょう。
`man
' ページはソースパッケージに附属しています。man
コマンドが見つけられるように、一般の man ページがあるディレクトリ /usr/man/man8
に移動させましょう。あるいは、nroff
と
more
を使って直接見ることも可能です。
[訳注:Linux では groff
と less を使います。具体的には
groff -man -Tascii pppd.man | less
とすれば整形されたマニュ
アルが読めます]
PPP faq は PPP プロトコル自身とその様々なインプリメントについて書いて
あります。この文書は usenet の comp.protocols.ppp
に投稿され、
rtfm.mit.edu
の /usenet
ディレクトリにアーカイブさ
れています。現時点では 8 つのパートからに分れています。
usenet において、PPP のインプリメントについて議論する第一の場は
comp.protocols.ppp
です。"pppd の使い方は?" とか "なぜ動かな
いの?" といった一般的な質問はこのグループにしてください。
"何故 pppd がコンパイルできないのでしょう?"といった類いの質問は、おそ らく linux に関係した問題なので comp.os.linux.networking グループに投 稿するのがいいでしょう。
この質問に comp.os.linux.help は使わないでください。
[訳注:NetNews の改組により comp.os.linux.help は無くなり、 comp.os.linux.setup, comp.os.linux.misc 等になりました]
これはもっとも無意味な質問です。助けを求めていのだとは思いますが、これ以外の情報無しに 投稿するのは何の役にも立ちません。 こんな質問は私を含め、ほとんどの人が黙殺するだけでしょう。
「モデムがうまく接続されないエラー」に関する質問の項を読んでください。 それらはトラブルの原因ではなく、症状にしか過ぎません。これらのエラーメッ セージのみを付けて投稿するのも同様に無意味です。
質問の際に必要なものは、pppd
を `debug
' オプション付
きで動かした時のシステムログ(syslog)の出力です。加えて chat を使ってい
るならば、chat に `-v
' オプションを付けて、冗長なメッセージが
出力されるようにしてみてください。
カーネルの起動時のメッセージも合せて送ってください。これを見ると、UART のタイプや PPP のバージョンなど、カーネルのハードウェアに関するさまざ まな情報がわかります。
質問の際には、問題に関係すると思われる全ての情報を含めてください。といっ ても、ハードディスクの設定やターミナルの種類、マウスの接続法やボタンの 状況などなど、は不要です。重要なものは、あなたが接続しようとしている先 のシステム、すなわち彼らが使っている ppp (あるいはターミナルサーバー) の種類、モデムの種類とスピード等、です。
注意深く出力を眺めてください。使っている電話番号やあなたのアカウント名、 パスワードは削除してください。それらは問題を分析するためには無用ですし、 それらを usenet に投稿することはセキュリティ上の問題があります。加えて、 カーネルや pppd からのものではない出力も削除しましょう。
決っして pppd を `kdebug 7
' オプションで動かした結果
を投稿しないでください!
もし問題がデータのやりとりだ、と確定できれば、その後は相手とメールのや りとりでお願いします。Usenet は既にあまりに多くの人々があまりに多くの ことを発言する場になっています。
情報はさまざまなレベルで出力されます。デバッグ情報はデバッグレベルにあ
わせて出力されます。インフォメーション・メッセージは info レベルにあわ
せて出力されます。エラーはエラーレベルにあわせて出力されます。
pppd
プロセスの `local2
' というグループが出力するメッ
セージは全て含まれるようにレベルを設定してください。
訳注:以下は PPP-Readme.linux よりの引用です。
もし接続でいないようなら、pppd からの 'debug' 情報をチェックしてくださ い。このためには pppd を 'debug' オプション付きで起動して、 /etc/syslog.conf ファイルに local2.* /dev/console local2.* /usr/adm/ppplog と書いておく必要があります。
もう一点、タイムスタンプは削除しないように。この情報は重要です。
はい、可能です。ローカルのアドレスはローカルシステムにとって重要なもの
ではありません。必要なのはユニークな remote
の IP アドレスで
す。経路制御はリモートの IP アドレスにしたがい、ローカルの IP アドレス
は関係ありません。