3 Linux で使えるCD−ROMドライブ

この章の目次へ

この節では現在 Linux でサポートされている CD-ROM ドライブやインターフェ イスを列挙しました。ここに挙げた情報はこれを書いている時点での最新の Linux カーネル・バージョン 1.2.13 (最新の安定化版) と 1.3.20 (最新の 開発版)に基づいています。

この情報は Intel 版の Linux のみに有効です。他のプロセッサ用の Linux に関してもいくらかの情報は有効かもしれませんが、著者はそれらのアーキテ クチャを扱ったことはありません。

3.1 SCSI CD-ROM ドライブ

SCSI (Small Computer Systems Interface) は、 CD-ROM ドライブのインター フェイスとしては一般的なものです。この特長としては転送速度が早いこと、 複数のドライブが一つのインターフェイスにつなげること、多くの種類のコン ピュータで共通に使われていることなどです。欠点はコントラーカードやケー ブルがやや高価なことです。

どんな SCSI の CD-ROM ドライブでも、ブロックサイズが 512 または 2048 バイトであれば Linux で使用可能です。すなわち、街で売っているほとんど の CD-ROM ドライブが使用可能なのです。(訳注:いくつかのドライブは SCSI カードとの相性があるようです。ソースコードに手を加える必要がある場合が あります。)

そのようなドライブを使うためには、SCSI コントローラー・カードが必要で す。詳しくは SCSI HOWTO を参照してください。

CD-ROM ドライブにはいくつか、SCSI とは完全な互換性を持たないコントロー ラを用いているもの(例えば他の SCSI デバイスを接続することを保証してい ないものなど)があるので、注意してください。それらは Linux では動作し ないことが多いので注意してください。

3.2 SCSI 以外のインターフェイス付きの CD-ROM ドライブ

メーカーが独自のインターフェイスを用いた CD-ROM ドライブもあります。サ ウンドカードにインターフェイスがついている場合もよくあります。サウンド カードについているような単純なインターフェイスカードも売られています。 このような CD-ROM ドライブは安価で、SCSI ドライブよりも小型のことが多 いようです。欠点は、標準化されていないことと、拡張性が低いことでしょう。

このようなインターフェイスは時々誤って IDE インターフェイスと呼ばれま す。これらは IDE ハードディスクのように PC/AT に依存した単純なバスを使っ ているからです。混乱を増やしているのは、Creative Lab などのメーカーが、 独自インターフェイス、SCSI、ATAPI のインターフェイスをサウンドカードに 付けていることです。

次に列挙した CD-ROM ドライブ(独自のインターフェイスを持ったもの)が Linux で使用可能です。新たに追加されるデバイス用のドライバ(訳注:ディ スクドライブを扱うためのソフトウェア。Linux ではカーネルに内蔵されてい る)は大抵開発中であり、大抵カーネルに対するパッチとして入手できます。 そのほとんどは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/kernel/patches/cdrom/ で見つか るでしょう。カーネルの /usr/src/linux/drivers/block/ にある README ファ イルも読んでみましょう。最新の情報が得られます。

         独自インターフェイスを持った CD-ROM ドライブ

    メーカー        モデル          ドライバ        注
    ------          -----           -------------   --------
    Panasonic       CR-521          sbpcd           注 1
    Panasonic       CR-522          sbpcd           注 1
    Panasonic       CR-523          sbpcd           注 1
    Panasonic       CR-562          sbpcd           注 1
    Panasonic       CR-563          sbpcd           注 1
    Creative Labs   CD-200          sbpcd           注 2
    IBM             External ISA    sbpcd           注 3
    Longshine       LCS-7260        sbpcd
    Teac            CD-55A          sbpcd
    Sony            CDU-31A         cdu31a
    Sony            CDU-33A         cdu31a
    Sony            CDU-535         sonycd535       注 4
    Sony            CDU-531         sonycd535
    Aztech          CDA268-01A      aztcd
    Orchid          CDS-3110        aztcd
    Okano/Wearnes   CDD110          aztcd
    GoldStar        R420            gscd            注 5
    Philips/LMS     CM206           cm206           注 6
    Mitsumi         CRMC LU005S     mcd/mcdx        注 7, 8
    Mitsumi         FX001           mcd/mcdx        注 7, 8
    Optics Storage  Dolphin 8000AT  optcd           注 9
    Sanyo           H94A            sjcd            注 9

注:

  1. これらのドライブは Creative Labs, Panasonic, Matsushita, Kotobuki の名前で売られているかもしれません。
  2. このドライブは最近サポートされたばかりであり、まだ完全に安定し てはいません。
  3. このドライブは Panasonic CR-562 と同じです。
  4. Procomm の名でも売られているかもしれません。
  5. Reveal マルチメディア・キットの一部としても売られています。
  6. Philips CM205 はこのドライバではサポートされていません。別のα 版ドライバがあります。
  7. Radio Shack という名でも売られているかもしれません。
  8. 2種類のドライバがあります。 mcd というカーネルに含まれているも のと、 mcdx という機能拡張版(まだ安定してはいません)があります。
  9. このドライバは実験的なものと思ってください。

3.3 ATAPI CD-ROM ドライブ

ATAPI (ATA Packet Interface) とは SCSI に似た、大容量の記録用デバイス を扱うための規格です。 これは ATA (AT Attachment) インターフェイスに接 続するもので、ハードディスク用に開発された IDE インターフェイスの ANSI 規格での正式な呼び名です。ATAPI は普通ハードディスクや CD-ROM ドライブ、 テープドライブなどに使われます。この規格は最近出てきたものですが、急速 に普及してきました。これは高価な SCSI コントローラやケーブルを使わずに、 ほぼ同じものを提供できるからです。

Linux カーネルにはどんな ATAPI CD-ROM でも接続できるドライバがあります。 Aztech や Mitsumi, NEC, SONY, Vertos などのメーカーが、このドライバで 扱うことのできる CD-ROM ドライブを販売しています。

次の章へ , 前の章へ

この章の目次へ, この文書の目次へ

この文書の最初へ , この章の最初へ