この節では現在 Linux でサポートされている CD-ROM ドライブやインターフェ イスを列挙しました。ここに挙げた情報はこれを書いている時点での最新の Linux カーネル・バージョン 1.2.13 (最新の安定化版) と 1.3.20 (最新の 開発版)に基づいています。
この情報は Intel 版の Linux のみに有効です。他のプロセッサ用の Linux に関してもいくらかの情報は有効かもしれませんが、著者はそれらのアーキテ クチャを扱ったことはありません。
SCSI (Small Computer Systems Interface) は、 CD-ROM ドライブのインター フェイスとしては一般的なものです。この特長としては転送速度が早いこと、 複数のドライブが一つのインターフェイスにつなげること、多くの種類のコン ピュータで共通に使われていることなどです。欠点はコントラーカードやケー ブルがやや高価なことです。
どんな SCSI の CD-ROM ドライブでも、ブロックサイズが 512 または 2048 バイトであれば Linux で使用可能です。すなわち、街で売っているほとんど の CD-ROM ドライブが使用可能なのです。(訳注:いくつかのドライブは SCSI カードとの相性があるようです。ソースコードに手を加える必要がある場合が あります。)
そのようなドライブを使うためには、SCSI コントローラー・カードが必要で す。詳しくは SCSI HOWTO を参照してください。
CD-ROM ドライブにはいくつか、SCSI とは完全な互換性を持たないコントロー ラを用いているもの(例えば他の SCSI デバイスを接続することを保証してい ないものなど)があるので、注意してください。それらは Linux では動作し ないことが多いので注意してください。
メーカーが独自のインターフェイスを用いた CD-ROM ドライブもあります。サ ウンドカードにインターフェイスがついている場合もよくあります。サウンド カードについているような単純なインターフェイスカードも売られています。 このような CD-ROM ドライブは安価で、SCSI ドライブよりも小型のことが多 いようです。欠点は、標準化されていないことと、拡張性が低いことでしょう。
このようなインターフェイスは時々誤って IDE インターフェイスと呼ばれま す。これらは IDE ハードディスクのように PC/AT に依存した単純なバスを使っ ているからです。混乱を増やしているのは、Creative Lab などのメーカーが、 独自インターフェイス、SCSI、ATAPI のインターフェイスをサウンドカードに 付けていることです。
次に列挙した CD-ROM ドライブ(独自のインターフェイスを持ったもの)が Linux で使用可能です。新たに追加されるデバイス用のドライバ(訳注:ディ スクドライブを扱うためのソフトウェア。Linux ではカーネルに内蔵されてい る)は大抵開発中であり、大抵カーネルに対するパッチとして入手できます。 そのほとんどは ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/kernel/patches/cdrom/ で見つか るでしょう。カーネルの /usr/src/linux/drivers/block/ にある README ファ イルも読んでみましょう。最新の情報が得られます。
独自インターフェイスを持った CD-ROM ドライブ メーカー モデル ドライバ 注 ------ ----- ------------- -------- Panasonic CR-521 sbpcd 注 1 Panasonic CR-522 sbpcd 注 1 Panasonic CR-523 sbpcd 注 1 Panasonic CR-562 sbpcd 注 1 Panasonic CR-563 sbpcd 注 1 Creative Labs CD-200 sbpcd 注 2 IBM External ISA sbpcd 注 3 Longshine LCS-7260 sbpcd Teac CD-55A sbpcd Sony CDU-31A cdu31a Sony CDU-33A cdu31a Sony CDU-535 sonycd535 注 4 Sony CDU-531 sonycd535 Aztech CDA268-01A aztcd Orchid CDS-3110 aztcd Okano/Wearnes CDD110 aztcd GoldStar R420 gscd 注 5 Philips/LMS CM206 cm206 注 6 Mitsumi CRMC LU005S mcd/mcdx 注 7, 8 Mitsumi FX001 mcd/mcdx 注 7, 8 Optics Storage Dolphin 8000AT optcd 注 9 Sanyo H94A sjcd 注 9
注:
ATAPI (ATA Packet Interface) とは SCSI に似た、大容量の記録用デバイス を扱うための規格です。 これは ATA (AT Attachment) インターフェイスに接 続するもので、ハードディスク用に開発された IDE インターフェイスの ANSI 規格での正式な呼び名です。ATAPI は普通ハードディスクや CD-ROM ドライブ、 テープドライブなどに使われます。この規格は最近出てきたものですが、急速 に普及してきました。これは高価な SCSI コントローラやケーブルを使わずに、 ほぼ同じものを提供できるからです。
Linux カーネルにはどんな ATAPI CD-ROM でも接続できるドライバがあります。 Aztech や Mitsumi, NEC, SONY, Vertos などのメーカーが、このドライバで 扱うことのできる CD-ROM ドライブを販売しています。