1.J-OSをインストールする前に  J-OSをインストールする前に、パソコンとPilotが正しく連携して動作することを 確認しておきます。  Pilotは単体でも動作しますが、パソコンと連携し、データの同期とバックアップ を行うことで、より便利に使えるようになります。J-OSを含め、Pilotへのソフトウ エアのインストールは、このデータ同期の仕組み「Hot Sync」を利用して行うため、 まずはHot Syncが正しく行えるように設定しておくことが必要です。  Hot Syncの設定手順そのものは、Pilotのマニュアル、日本語版FAQなどを参考に してください。大まかには、以下のような手順となります。 ・Pilot付属のソフトウエア「Pilot Desktop」をパソコンにインストールする ↓ ・ Pilot付属の「Cradle」を、パソコンに接続する ↓ ・ パソコンを再起動 ↓ ・ CradleにPilotを乗せ、「Hot Sync」ボタン(Cradleについているボタン)を押す   ↓ ・「ピロリ〜」という音とともに「Hot Sync」が開始され、1,2分後に自動終了  この時、エラー表示がなければ成功です。J-OSのインストールを開始しましょう。 エラーが出る場合には、マニュアル・FAQを参考にして、Hot Syncがうまく動作する よう、設定を行ってください。 <すでにJ-OSをインストールしている方へ>  以前にJ-OSをインストールしていて、今回バージョンアップ/再インストールを行 う場合には、いったんHackMasterでJ-OSを無効にして、一旦Resetをしてからインス トールを行ってください。そうでないと、ほぼ100%ハングします。  また、簡易辞書(dic-s)がインストールされている状態にM辞書(dic-m)のイン ストールをする時は、dic-sを事前に消す必要はありません。新たにdic-m.prcをイン ストールするだけでokです。dic-mからdic-sに戻すときも同様です。 2.J-OSで使用するソフトウエア  J-OSは、1本のソフトウエアで構成されるものではありません。実際には、J-OS本 体の他に、いくつかのソフトウエアを同時にインストールし、組み合わせることで動 作します。J-OSを動作させるには、以下のソフトウエアが必要となります。特に恵梨 沙フォントは、J-OSとは別に配布されていますので、忘れずに入手してください。  ただし、Pilot1000/5000と、PalmPilot Personal/Professional (Pilot1000/5000に、PalmPilot Professional Upgrade Kitを入れたものも含 む)では、使用するJ-OSの種類が異なります。 Pilot1000/5000ではJOS10.prcを、それ以外ではJOS20.prcを使います。間違える と、J-OSは正確に動作しませんので、ご注意ください。 ・J-OS 1.9 (ファイル名: JOS10.prc または JOS20.prc) J-OS本体です。Pilot1000/5000ではJOS10を、それ以外ではJOS20を使用しま す。実際に使用するのは、どちらか1種類のみです。J-OS配布キットに入っています。 ・かな漢字変換辞書(ファイル名:dic-s.prc または dic-m.prc) かな漢字変換を行うために必要な辞書ファイルです。dic-sが、サイズの小さい簡易 辞書、dic-mが、dic-sよりも変換効率の高い、比較的サイズの大きい辞書です。実際 には、どちらか一方を使用します。J-OS配布キットに入っています。  なお、dic-mを使用した場合には、dic-sの場合よりも、100kbyte程度メモリーを 多く消費します。 ・HackMaster(ファイル名:hackmstr.prc) Pilotに、各種機能を追加するためのソフトです。J-OSの機能を、Pilotで使われてい るOS、PalmOSに追加するために使用します。J-OS配布キットに入っています。 ・恵梨沙フォント(ファイル名:elisa.prc)  日本語の表示に使われる、日本語フォントです。J-OSとは別に配布されています。 3.J-OSのインストール  実際に、J-OSのインストールを行いましょう。 OSを動作させるには、基本的に3つのプロセスが必要となります。 A. JOS10.prc(もしくはJOS20.prc)、hackmstr.prc、elisa.prc、dic-m.prc(もし くはdic-s.prc)を、パソコン上のソフトウエア「Instapp」を使い、インストール できるよう「準備」する B. CradleにPilotを乗せ、「Hot Sync」ボタンを押して、J-OS関連ソフトを、 Pilot本体に転送する C. いったんPilotをリセットし、その後、J-OS関連の動作設定を行う  では、A.から順番に行ってゆきます。 「Instapp」は、Pilot付属の、パソコンとPilotを連携するソフトウエア「Pilot Desktop」の中に含まれるソフトで、主に、Pilotへソフトをインストールするのに使 います。  使い方は簡単です。Instappsを起動し、Instappsウインドウ右上の「Browse」ボ タンをクリック、インストールしたい「.prc」ファイルを選択します。その後、 「Install」ボタンをクリック、「Exit」を押せばOKです。基本的にはこの作業を、 インストールが必要なソフトウエアの数だけ(ここでは4回)行うことになります。 (Instappの詳しい利用補方は、Pilotのマニュアルを参照してください)  ただし、ここで行われるのはインストールの「準備」であり、Pilot本体への実際 の転送・インストールは行われません。この後、B.の処理、すなわちHot Syncを行っ て初めて、J-OS関連ソフトウエアはPilotに組み込まれます。この時、dic-mを組込 んだ場合、Hot Sync中のPilotの画面に「dic-s」と表示されますが、特に問題はない ので安心してください。  そして、最後の処理がC.、PilotでのJ-OSの設定です。設定といってもやらなけれ ばならないことは2つだけです。  設定にかかる前に、一度Pilotをリセットします。J-OSは、Hot Syncでの転送後、 まず一度Pilotをリセットしないと正常に動作しません。リセットには、J-OSと一緒 にインストールした「HackMaster」を利用するのがいいでしょう。Pilotで、アプリ ケーションメニューからHackMasterを起動し、画面下にある「Restet(!)」ボタンを クリックします。データなどが消えることはないので、安心してリセットしてくださ い。  リセット後も、そのままでは、J-OSは有効になっていません。HackMasterを立ち 上げ、「J-OS1.9」の左隣のチェックボックスをタップして、有効にしてください。 ここでハングしなければ、J-OSのインストールはとりあえず成功です。なお、同様の 手順で、いつでもJ-OSの機能をOFFにすることができます。  この後、J-OSの日本語変換ユーザー辞書の作成を行います。  ユーザー辞書は、Pilotに標準添付のアプリケーション「Memo」のデータ、という 形で実現されます。Memoに「J-OS」というカテゴリを作成し、そのカテゴリの中 に、「J-OSユーザー辞書」などと書いたメモを作ります。(実際には、ここで辞書を 作らなくても、J-OSの動作に支障はありません)  これで、J-OSのインストールは終了です。  J-OSでの日本語入力方法などは、別ファイル(japanese.txt)をご覧ください。 4.トラブルシューティング  J-OSのインストールがうまくいかない場合には、以下のような事情が考えられま す。 ・ Hot Syncがうまくゆかず、J-OSその他がインストールされない →Hot Syncの設定がうまくいっていない可能性があります。マニュアル、FAQなどを 参考に、もう一度設定をやりなおしてみてください。 ・ HackMasterでJ-OSを有効にしたら、ハングした →2つの原因が考えられます。  1.J-OS関係ファイルをHot Sync後、Pilotをリセットしていない →一度、Pilotをリセットしてください。  2.必要なファイル、特にelisa.prcがインストールされていない →必要な4つのファイルをインストールしたか、確認してください。 ・ どうも動作がおかしい →インストールすべきJ-OSのファイルを間違えている可能性があります。  あなたがPilot1000/5000ユーザーの場合には、JOS10.prcを、  PalmPilotユーザーの場合にはJOS20.prcをインストールしてください。 ・ 日本語入力ウィンドウが出ない。 →インストールすべきJ-OSのファイルを間違えている可能性があります。  あなたがPilot1000/5000ユーザーの場合には、JOS10.prcを、  PalmPilotユーザーの場合にはJOS20.prcをインストールしてください。 ・ J-OS関係ファイルの転送のためにHot Syncしたら、いきなりPilotがハングした →すでにJ-OSをインストール済みのPilotに、新たにJ-OSをインストールしようとし た場合に起こります。まずHackMasterでJ-OSを無効にしてから、改めて新しいバー ジョンのJ-OSをインストールしてください。 5.終わりに  本マニュアルは山田達司がオリジナルを作成し、西田 宗千佳さん (mnishi@butaman.or.jp)n全体的に見直し、書き直しをしていただきました。あり がとうございます。  お気づきの点は山田(piloteer@usa.net)まで電子メールでお知らせください。