4 特定のカードに関する問題

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4.1 なぜ私のモデムは動かないんでしょう?

これは漠然とした質問ですね。以下に簡単なトラブル回避策を示します

4.2 なぜ Megahertz モデムカードは時々動かなくなるんでしょう?

昔の PCMCIA ドライバでは、しばしば Megahertz のモデム、特に 2144 モデ ル、を正しく初期化できませんでした。この問題は最近のバージョンでは解決 しています。

16550 タイプの UART を使っている新しい Megahertz の モデム に関しての報告を受けとりました。それによると、モデムを

echo 'ATS=QV1X4&C1&D2S95=2W1&K3S36=7S95=255' > /dev/modem

と設定しないと Linux の cu では使えないそうです。

この初期化の文字列は Megahertz の技術サポートから教えてもらったそうで す。

4.3 なぜ私のイーサネットカードは動かないの?

もう一つ、簡単なトラブル回避策を示します。

4.4 3c589 カードでトランシーバーの種類を選ぶには?

ドライバが自動的に10baseT で接続されているか 10base2 かを識別できれば いいんのですが、どうすればそうできるのかわかりません。現時点では /etc/pcmcia/config ファイルを修正して 3c589_cs モジュー ルの設定に if_ports=# というオプションを追加してください。よ り詳しくは tc589_cs の man ページを見てください。ただし、 10base2(BSC, thin net, coax とも呼ばれています) を選ぶ場合は、

 
module "3c589_cs" 
module "3c589_cs" opts "if_port=3"
と変更する必要があります。

4.5 ネットワークの性能が悪いんですが、どうすればいいですか?

もし NE4100 か IBM CCAE アダプタを使っている場合は ibmcc_cs モジュー ルの設定に mem_speed=# オプションを使って、メモリにアクセスす る時間を増してみてください。このスピードを 1000(ナノセコンド)まで上げ てみてください。

その他のカードの場合ではソケットドライバのタイミングを制御するパラメー タを変更すればいいかもしれません。どのようなパラメータが使えるかは、お 使いのソケットドライバ (i82365tcic) のマニュアルをご覧く ださい。

4.6 NE2000 互換のイーサネットカードを使うには?

まずカードが cardmgr に識別されているか調べてください。 SUPPORTED.CARDS の中には入っていないカードでも、実際にはサポート されているカードの OEM バージョンのことがあります。このようなカードを 見つけたら私に連絡してください。リストに追加します。

もしお使いのカードが識別されていない場合、 3.6 節に従って、config ファイルにあなたのカード用のエントリー を作る必要があります。カード内部の設定を読み取る必要があるので、現時点 では、メモリカード用のドライバ pcmem_cs を使うように設定 (bind の項目)します。設定後、cardmgr を再起動して修正した config ファイルを読みこませます。

カードのハードウェア的なイーサネットアドレス(MAC アドレス)も知る必要が あります。このアドレスは対になった 16 進数 6 つ組からなっており、しば しばカード自身に書いてあります。もしカードに書いてなければ DOS のドラ イバを使ってアドレスを調べることができます。とにかく何らかの方法で見つ けて、

dd if=/dev/pcmem0a count=20 | od -Ax -t x1

を実行し、カードのアドレスに対応する部分の出力を調べます。アドレスの最 初が 16 進のオフセットでいくらになるかを記録しておきます。次に modules/de650_cs.c を修正して hw_info の構造体を見つけま す。この構造体の中にあなたのカード用のエントリを作らなければなりません。 最初のフィールドは 16 進のオフセットを 2 倍したもの、つぎの 3 つのフィー ルドはカードのハードウェアアドレスの最初の 3 バイトです。最後のフィー ルドはそのカードの名称になっています。

de650_cs を修正した後、コンパイルして新しいモジュールをインストー ルします。/etc/pcmcia/config を修正し、あなたのカード用のエン トリを pcmem_cs から de650_cs に変更します。cardmgr を 再起動して設定ファイルを読みこみなおせば完了です。作成された hw_info と config のエントリをぜひ私あてに送ってください。

4.7 PCMCIA フロッピーインタフェースの使い方は?

Compaq Aero や他のいくつかのラップトップ機で使われている PCMCIA の フロッピーインタフェースはこのパッケージではまだサポートされていません。 もしお持ちのラップトップ機で Linux をブートする前にこのカードを初期化 できるなら、カードサービス・システムにそのソケットを無視するように設定 して利用することが可能です。ただしこのカードは抜き挿しできないことに注 意してください。

カードサービス・システムにフロッピーインタフェースが使っているソケット を無視させるには、i82365tcic ドライバをロードする際に ignore=# というパラメータを渡します。より詳しくはmanページを ご覧ください。

4.8 Xircom 製のカードのサポートはどうなっていますか?

Xircom は秘密保持契約 (non-disclosure agreement) を結んだベンダにのみ自 らのカードの技術情報を公開しています。そのため、自由に配布できる Xircom カードのドライバを作るには DOS ドライバをリバース・エンジニアリ ングするような法的に疑わしい方法を取るしかありません。

将来、Xircom 社が直接 Linux 用のドライバをサポートするかも知れません。 Xircom の技術サポートによると、将来の製品には Linux 用のドライバを含め る予定だそうです。旧来の製品に対する彼らの方針は不明です。

Xircom 製の CreditCard Ethernet+Modem II カードは特別な設定をしなくて も modem としては Linux で使えます。

4.9 SCSI アダプタのサポートはどうなっていますか?

Qlogic 社の FastSCSI と New Media 社の Bus Toaster カード、Adaptec の APA-1460 SlimSCSI カードがカードサービス・システムから利用可能です。

Linux の 1.1.81 からは SCSI ドライバモジュールを動的にロードすることが 可能になっていますが、最新のカーネルを使う方がいいでしょう。これらのカー ド用の PCMCIA ドライバモジュールは Linux の標準的な SCSI ドライバと PCMCIA 用のコード(qlogic_cs.ctoaster_cs.c をリンクして作 られています。Bus Toaster 用の PCMCIA ドライバが Adaptec の SlimSCSI もサポートしており、Linux 自身の Adaptec 152X ドライバとリンクされてい ます。最近、Linux の低レベルドライバに重要な変更が行われたので、SCSI アダプタを使うならば 1.2.8 より新しいカーネルを使ってください。

Adaptec APA-460 SlimSCSI アダプタはサポートされていません。このカード は元々 Trantor 社から発売されていたものですが、Adaptec 社が Trantor 社 を合併してからは Adaptec のラベルを付けて売っています。APA-460 はどの Linux 用のドライバとも互換性がありません。ドライバを書くのがどれくらい 難しいかはわかりませんが、Adaptec からこのカードについての技術情報を入 手することが可能だとは思えません。

Trantor 製の SlimSCSI は以下のような製品名になっており、SCSIworks! が ソフトウェアとして附属しています。

Trantor / Adaptec APA-460 SlimSCSI FCC ID: IE8T460

(カードサービス・システムがサポートしている) Adaptec の SlimSCSI は以 下のようになっているので間違えないでください。こちらには EZ-SCSI ソフ トウェアが付いています。

Adaptec APA-1460 SlimSCSI FCC ID: FGT1460 P/N: 900100

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