(22)真実 !! 全長、100メートルはあるでしょう。 その巨大な物体は、あろうことか、ポエルの顔をしていました。 ルナリィ 「……ポエル、なの?」 ポエル 『うっふふ。やっと、気がついたかい。これが、新しいおいらなんだ』 ジャンパー「どういう、ことなんだい?」 ポエル 『簡単なことさ。おいらが、おとなになった。それだけの話さ』 ルナリィ 「……それが、ポエルのおとなになった姿なの?」 ポエル 『そうさ。宇宙両生類だったんだ。おいらたち、ミラくじらは……』 ジャンパー「ポエルが、ミラくじら……で、宇宙両生類?」 ポエル 『うん。 子供のころは、地表依存型のからだ。 大人になると……かんぜんな宇宙生物のからだになる。変態をして、 ね』 ルナリィ 「おどろいた」 ポエル 『おいらも、おどろいた』 ジャンパー「しってたのかい? まさか。前から」 ポエル 『いや。火山にとびこんだときは、ほんとうに死ぬかと思った。 ちゃんと変態をするためには、あの火山のエネルギーがどうしても必 要だったんだ』 ルナリィ 「それにしても。あのとき、銃でおどすなんて、ひどいわ」 ポエル 『ごめんよ。でも、あれカラだったんだぜ』 ジャンパー「やっぱり。だと思った」 ジャンパー「……ミラくじらって、あの悪いうわさは?」 ポエル 『あのことは……おいらも、よくしらない。 だけど。むかし、おいらたちの種族がまだ力をちゃんと使えなかった ころ、ある惑星を丸ごとこわしちゃったらしい。 生きものは、いなかったけどね。 それ以来、おいらたちは天の川の怪獣として、恐れられるようになっ たんだそうだ』 ジャンパー「ひょっとして、この惑星のすぐ外側の小惑星帯は」 ポエル 『うん。あれが、破壊された惑星の、なれのはて』 ジャンパー「……」 ■