(21)静寂 闇。静寂。それに──無重力。 ルナリィ 「……たすかった、のかしら」 ジャンパー「ここが、あの世じゃないとすればね」 ルナリィ 「どうなの?」 ジャンパー「ちょっとまって。あー……だめだ、センサーがみんないかれてる」 ルナリィ 「あ。窓の外。星がいっぱい見えるわ。 さっきの惑星は……あ、あれ。もうあんなに小さい。 ここはもう宇宙なのね。重力をふりきって、大気圏離脱に成功したん だわ」 ジャンパー「そんなばかな。時間的に無理だよ。 もしそんな大加速がかかったら、ぼくらぺちゃんこになったはずだ」 ルナリィ 「なんらかの補償がはたらいたのかしら」 ジャンパー「それとも、ワープ……だろうか。あるいは、奇跡か」 ルナリィ 「あ、メインセンサー回復……真後ろに、巨大な質量反応!」 ジャンパー「でかい! なんだ、こりゃ」 『なんだこりゃは、ないだろう』 2人 「???」 『まだ、わからないのかい?』 ■