(17)絶望 ジャンパーは、しばらくたってももどってきません。 ルナリィはようすを見にいきました。 すると、ジャンパーは泣きながら、自分の頭をぽかぽかなぐっています。 ルナリィ 「どうしたの、いったい」 ジャンパー「……原因がわかった。ぼくがいけなかったんだ。 大気圏に突入したとき、宇宙エイの黒いよごれが加熱されて、推進剤 の移送系に穴があいていたんだ。 光のかたまりとぶつかった時、降下せずに、母船にもどっていれば。 そうすれば、こんなことにはならなかったんだ」 ルナリィ 「うそ……」 ジャンパー「ごめん。ぼくのせいだ。ぼくがちゃんと判断できていれば、着陸船が もどれなくなることも、ポエルが死んだりすることもなかったはずだ」 ルナリィ 「ジャンパー……」 ふたりは、だきあって泣きました。無人の惑星に、遭難してしまったのです。 ふと、どこからともなく、声がしました。 『ルナリィ……。ジャンパー……』 ジャンパー「あの声は?」 ルナリィ 「……ポエルの声に似てる?」 ■