孫たちも成長してからは、寝たきりの祖父の世話をするのが日課でしたね。体を拭いてあげたり、食事の世話、二人でテレビを見たり、目が見えるけれども動けない祖父の手や足のかわりになり、二人で一人前だと笑いながら、今日は夜中に何回も起きて世話をした、と話していました。  ばんちゃんが亡くなった時、祖父の時から数えて二十年間、毎週往診していただいたお医者さんは、「ばんちゃんは、幸せな一生だったな」と言われたそうです。  ばんちゃんは、たくさんの人に、言葉に表せないほど、とてもお世話になりました。そして、それ以上に、私たちに優しさと生きる勇気を与えてくれました。  大正琴を上手に弾き、演歌のテープを聞きながら歌っている明るいばんちゃん。  孫たちの成長と、訪れる人をとても楽しみにしていたばんちゃん。  もう会えなくなるのはとても悲しいことですが、天国でおじいちゃんと仲良く暮らしてください。             平成6年2月18日  孫代表  どうぞ、安らかにお休み下さい。   平成六年二月十八日             佐藤美穂子