vol.78    Ancient Blue                           NIX                            ('94.2.23)        目をつむり すりきれた心を抱いて                それで風の吹く丘に立っていた        強く引っ張られる髪は 青い空の白色の雲になり         全身に風を受けて 空気の水面に揺らめく僕                    みのも           人間という やたら奇妙な生き物を飼う               箱を飛び出して 気づけば そこは                 Ancient Blue            古代遺跡に乗り込んだそれは                光と影の交錯する時代              透きとおる柱に触れる度に             travel― 遠い古代人とのアクセス             まだ見ぬ世界の地図を広げれば                つかの間の奇跡に夢は絶えない                  そら         遙かなる 海に浮く宇宙 結う雫               夢なら月の明かりこそ消ゆれ           幻想的な気持ちに浮かびあがる             どこまでも透きとおった空気を吸って            月の鏡の明るさに掻き消されてしまった                 星の中に一人立っていた           石になるよりは 氷の粒になりたくて             地の底より突き出された 石になった時間を見た             触れれば熱が移動して1つになれた              生を自覚する程に               Ancient Blue          時間の海に船を浮かべずに              深く 深く 力を抜いて 沈んでゆきたい            たとえ 自分1人しか生きていなくても                 生きてゆくべき意味に出会うために