第31話 「魔女」中編 13 相棒への電話 その夜、レイガンはホテルの部屋から彼の相棒、スージー・キャ ロルに電話をかけた。彼女は今、カリフォルニア州ロサンゼルスの 病院に入院中であった。 「どうだい体の方は?」 『ふふふ、何かあったの』 スージーはいたずらっぽく笑った。 「何だよ、その笑いは」 『あなたが私の体のこと、心配するなんてね』 「たまには優しいところを見せたくてね」 『殺し屋に優しさは禁物よ』 「そうだな」 『でも、うれしいわ。どうもありがと』 「手術はいつだ?」 『五日後よ』 「そうか」 『日本での仕事、うまくいってる?』 「数日中には片がつく。安心しな」 『別に心配なんかしてないわよ。ただリチャードからの依頼でしょ 。彼の持ってくる仕事、危険なものばかりだし、それに報酬がいつ もの十倍じゃない』 「仕事に危険はつきものさ。君は自分の体を治すことだけを考えろ 」 『私のことなんかで無理しなくていいのよ。腎臓なんかなくたって 生きていけるし、相棒だって代わりはいくらでもいるし』 「本当にそう思ってるのか」 『……』 「俺の相棒は君一人だ。それに腎臓移植の機会はこれを逃したら、 またいつ来るかわからん。いいか二度とそんなこと、考えるなよ」 『わかったわ』 「じゃあ、帰国する時にもう一度、電話をかけるよ」 『楽しみにしてるわ。そちらは夜中でしょ、おやすみなさい』 「おやすみ」 レイガンは電話を切った。 スージーには嘘をつくことになるかもしれんな レイガンはベッドに腰を下ろした。 −−コンコン ドアを叩く音がした。 誰だ、こんな時間に レイガンは腰を上げ、無意識にホルスターを手に取り、ドアの方 へと向かった。 「誰だ?」 「矢上です」 ドアの向こうからかしこまった声がした。 典子か−− レイガンはドアを開けた。 「すみません、こんな遅くに」 典子は深く頭を下げた。 「何を緊張してんだ。まあ、入れよ」 「いいえ、私は使いで伺っただけで、用件を済ませたら失礼致しま す」 典子はレイガンと目を合わせないようにしながら、事務的な口調 で言った。 「リチャードに何か言われたな」 「いいえ、そんなことはありません」 「だったら、遠慮することないだろ」 レイガンは典子の肩に手を置いた。 すると、典子は拒否反応を示したかのように体で彼の手を振り払 った。 「典子−−」 「ごめんなさい」 「今度、俺とつきあったら、クビにするって言われたのか」 「−−いいえ」 典子は小さく首を横に振った。 「だったら、なぜだ。言ってくれ」 「それは……」 「典子」 レイガンは典子の顎に手をやって彼女の顔を上に上げた。二人の 目を目が合った。だが、すぐに典子は目を外らそうとする。 「なぜ目を背ける?」 「レイガンさん、私のこと、やっぱり遊びだったんですね」 典子は瞳を潤ませて、言った。 「どういうことだ?」 「ボスから言われました−−」 典子の話だと、リチャードから昨夜のことを問い正され、その時 に仕事外ではレイガンと何をしようと自由だが、レイガンには本国 に恋人がいて、自分はただ遊ばれているに過ぎないとからかわれた ということだった。 「リチャードの奴−−」 「レイガンさん、私は別に気にしてません。これも仕事だと−−」 「バカ言うな!!」 とたんにレイガンの鋭い声が飛んだ。 典子はその声に萎縮した。 「確かに本国には女の相棒がいる。だが、あくまで相棒で恋人じゃ ない。彼女は俺の相棒だった男の娘で、幼い時から腎臓病に悩まさ れて誰かの助けなしでは生活できなかった。だから、相棒が死んだ 時、俺は彼女を見捨てることが出来ず、彼女を引き取って育てるこ とにした」 「でも−−」 「俺が信じられないのか」 「レイガンさん……」 「君がその気なら一緒に暮らしてもいいって言っただろう」 「レイガン」 典子はレイガンの胸に飛び込んだ。「昨日はあんなこと、言った けど、私、あなたについていきたい。離れたくないの」 「いいのか、それで」 「私、わかったんです。このままあなたと別れるくらいなら、死ん だ方がましだって」 「よし、じゃあこの仕事が終わったら、君を無理矢理にでも連れて いくぞ。その時には相棒にも会ってくれるね」 「ええ」 二人は熱い口づけを交わした。その時、レイガンは一瞬だけ仕事 への不安を忘れていた。 14 会議 一方、時を少し前に戻して、牧田奈緒美は午後九時を過ぎて、よ うやく律子のマンションにやって来た。 「遅ぅーい」 律子が玄関に出迎えて、奈緒美に文句を言った。 「ごめん、ごめん。ちょっと仕事が入ってね」 「美佳、奈緒美が来たわよ」 律子が呼ぶと、美佳も玄関に出てくる。 「今晩は。まあ、汚いとこだけど、上がってよ」 「汚くしてるのはあんたでしょ」 律子が横やりを入れる。 「何よ、姉貴だって−−」 「まあまあ、こんな晩に喧嘩でもないでしょ」 美佳と律子が再び喧嘩になりそうなのを見て、慌てて止めに入っ た。 * * * * 「さて、本題に入りますか」 居間にポテトチップなどの菓子やジュースを一通り揃えて、よう やく三人は話を始めた。 「それでまずジム・マックスウェルの遺体の件は、明日の午前七時 に五分だけ許可もらったわ。ジェシカのところへはその足で行きま しょ」 「随分、気を揉ませたわりには、すんなり決まったわね」 「そこが民間と警察の差よ」 「そうなると、美佳は行けないわね」 「どうして?」 「明日は学校でしょ」 「この大切な時に学校なんて」 「休めるわけないでしょ。1学期、休みまくったんだから」 「でもさぁ」 「ちゃんと帰ったら話してあげるし、何ならマックスウェルさんの 写真を撮ってきてもいいわよ」 「写真ね−−」 美佳は冷やかな目で律子を見た。 「冗談よ、冗談」 律子は慌てて訂正した。 「美佳にはジェシカの泊まってるホテルの場所だけ教えておくわ」 奈緒美は美佳にメモを渡した。 「姉貴、私の分もマックスウェルさんの冥福、祈ってきてね」 「わかってるって」 「じゃあ、これで決まりね」 奈緒美がそういった時、電話が鳴った。 「あたしがでる」 美佳は立ち上がって、DKにある電話を取った。 「はい、椎野ですけど」 『椎野美佳はいるか』 と女の声。 「どちらさまですか」 『その声は美佳ね。あなたも私の声で、わかるはずよ』 「ジェシカ−−」 美佳の言葉に居間にいた二人が美佳の方を見た。 『ジムが世話になったそうね』 「何のことですか」 『隠しても無駄よ。私の計画をジムがあなたに教えたのはわかって るわ。そして、あなたのマンションを出た後、殺されたってことも ね』 「ジェシカ、それは−−」 『ジムを殺したわね』 「何言うのよ」 『日本でジムを殺す奴がいるとすれば、おまえたち以外に考えられ ないわ』 「マックスウェルさんを殺すなんて−−」 『気安くジムの名前を言わないで。おまえたたちは無理矢理ジムを マンションに連れ込んで脅し、私の計画を吐かせた。そして、用が 済んだら、口封じにと殺したんだ』 「違うわ。マックスウェルさんはあなたが人殺しになるのを恐れて 私のところに知らせに来たのよ」 『嘘だ!!』 ジェシカは突っぱねた。 「マックスウェルさんの死には私も責任を感じてるわ。あの晩、ジ ェシカのホテルへ戻るというマックスウェルさんを止めたけど、あ の人はジェシカのことが心配だからっていって帰っていったわ。そ の帰りよ、あんなことになったのは」 『おまえの言葉など信じられるか』 「信じてもらわなくてもいいわ。ただジェシカ、お願いだからマッ クスウェルさんの気持ちを少しは理解してあげて」 『ジムの気持ち……』 ジェシカは一瞬言葉に詰まった。『ふん、おまえはどうせ私に復 讐をやめてもらいたいからそういうんだろ。魂胆は見えてるわ』 「かわいそうな人ね」 『何ぃ』 「ジェシカ、あなたにだってわかってるはずだわ、マックスウェル さんを殺したのは私やフェリカじゃないってことを。そうでしょう 。私がライフル銃なんか撃てるわけないし、フェリカならそんな手 の込んだ真似はしないわ。彼の場合、あなたを直接、殺せばいいん だから」 『くっ−−』 「あなたがお父さんを殺された気持ちはわかるわ。けど、復讐にば かりしがみついていたら、いずれは周りのものを全て失うことにな るのよ」 『黙れ!!』 ジェシカの電話は切れた。 美佳はしばらく受話器の通話音を聞きながら、その場に立ち尽く していた。 「美佳……」 律子や奈緒美たちが美佳のところに集まった。 「何とか会う機会を作ろうかと思ったけど、取りつく島もなかった わ。この分だと仮にホテルへ行ったとしても会ってくれるかわから ないわ」 「それは困ったわね」 「そうだわ、逮捕状を取るってのは?」 奈緒美が提案した。 「それは名案ね」 律子も賛同する。 「駄目よ、そんなこと」 美佳は反対した。 「でも、このままいったら、また狙われるわよ。それより美佳たち が警察に被害届けを出せば、重要参考人どころか容疑者として連行 できるわ」 「私もそれがいいと思うな。もし明日、ジェシカが私たちと会うの を拒否したら、奈緒美の言うとおり警察に被害届けを出すわ」 「私は嫌よ」 美佳はあくまで拒否した。 「どうして?」 「考えてもみて、今、ジェシカを逮捕したところで何の解決にもな らないわ。彼女は私に憎しみを抱いたまま、アメリカへ送還されて しまうのよ、誤解を解けないまま」 「私たちの身の安全の方が大事だわ。美佳、ここまできたら、警察 に任せましょ。彼女はまともじゃないわ」 「そうよ、美佳。警察に連行してもすぐに国外退去になるわけじゃ ないし、面会の機会は作ってあげるわ。それに事はもうあなたたち 姉妹の問題だけじゃなくなってるのよ」 奈緒美も律子の意見に加勢した。 「私は絶対にいや」 美佳はそれだけ言うと、自分の部屋に飛び込んで、中から鍵を締 めてしまった。 15 典子の不安 「三日以内にジェシカを始末しろだって」 レイガンはバスタオルで髪を拭きながら、浴室を出てきた。 「ボスはかなりいらいらしているようでした」 ベッドで毛布を体にかけて横になっている典子が言った。 「あいつは昔から臆病なところがあったからな。人殺しは俺たちに やらせて、自分はおいしいところだけを持っていく」 レイガンはバスタオルをソファにかけた。「まあ、いいさ。計画 はすでに出来てる。今週中にはジェシカも椎野美佳も始末する予定 だ」 「でも、前回は失敗しているのでしょう。私、心配だわ。何か不安 を感じます」 「俺が負けるというのか」 「そんな……ただ生きるか死ぬかの勝負なんて……もしレイガンさ んが死んだら、私は−−」 「ふふ、心配するな」 レイガンは典子を抱きしめ、彼女の顔を自分の顔に引き寄せた。 「俺は必ず勝つ」 「本当に」 典子はレイガンを見つめた。 「本当だとも。何せ俺には最強の助っ人がついてるんでね」 レイガンはニコッと微笑んで、典子に口づけをした。 16 花束 ピルルルルル−−− 翌朝、一本の電話でジェシカは目覚めた。 ジェシカはベッドから体を起こして、傍の電話を取った。 それはフロントからの電話だった。 「モーニングコールを頼んだ覚えはないけど」 『いいえ。今、ジェシカ様宛に花束が届いたのですが、お受取にな りますか』 「花束?誰から?」 『ちょっとお待ち下さい−−差出人は書いてありません。配達員を 待たせてありますので、聞いてみます』 しばし時間が過ぎて。 『配達員も差出人はわからないそうです。何でも昨日の昼ごろ、花 屋に男性の方が来店して、明日の朝七時に花をジェシカ様に届けて ほしいと頼んでいったそうです。配達員が言うにはその男性は、花 を届けてくれれば分かるといって、名前をおっしゃらなかったそう です』 フロントの言葉にジェシカは少し考えて、 「わかったわ、じゃあ、部屋まで持ってきてもらって」 『承知しました』 ジェシカは受話器を置いた。 ベッドの傍のテーブルには飲み明かしたウィスキーの瓶とグラス があった。 昨夜は美佳との電話の後、一晩中部屋で一人、酒を飲んでいたの であった。 Tシャツとショートパンツという軽い出立のジェシカは、取りあ えず配達員が来るということで下だけジーンズにはきかえ、壁の鏡 の前で軽くブラシで髪を梳かした。 それから、しばらくして入口のドアをノックする音がした。 ジェシカはドアを開けた。制服姿の配達員が赤い薔薇の花束を持 って立っている。 「ジェシカ・フォード様ですね?」 配達員が確認した。 「ええ」 「では、どうぞ」 配達員は花束を手渡した。 ジェシカはいったん部屋の奥に入って、花束をベッドに上に置き 、配達員のところへ戻ってきた。 「こちらにサインを頂けますか」 配達員は受領書のサインの欄を指差した。 ジェシカは配達員からボールペンを借り、サインをした。 「どうも。では、失礼します」 配達員は帽子を取って、軽く頭を下げると、帰っていった。 部屋の奥に戻ると、ジェシカは花束の間に差し込んであるカード を手に取った。親愛なるジェシカ・フォードへ−−とある。 カードの裏には差出人の名前もない。 −−ん? ジェシカはそのカードを開こうとしたが、三つの辺が全て糊づけ されていて開かなかった。 −−変ね ジェシカは何となく中に書いてあることが気になり、はさみで一 辺の端を切り、そこから中を開いた。 あなたに安らかな眠りを捧ぐ 死の配達人 ジェシカの表情が険しくなった。 ジェシカは、はっとして赤い薔薇の花束を見た。 −−まさか ジェシカは花束のリボンを解き、包装紙をつかみとった。 薔薇の一本一本の間から赤いランプの点滅する黒い箱が見えた。 −−爆弾!!!!! ジェシカはとっさにそう判断すると、入口のドアへ向かって駆け 出した。 黒い箱は点滅を終えると、ぴかっと内部が明るくなった。次の瞬 間、パーンという音と共に爆発し、部屋中には噴煙が沸き起こった 。同時に爆風でドアが吹っ飛び、前の壁にぶつかる。 ドアのなくなった入口からは煙が流れ出し、天井のスピリンクラ ーが一斉に作動した。 「いったい誰が−−」 間一髪、転がるように部屋を出たジェシカは、ゆっくりと立ち上 がった。 −−もしや、あの配達員が ジェシカはすくさまエレベーターの方へ向かった。エレベーター は1階で止まっている。 「ちっ」 ジェシカはエレベーターを諦めて、近くの階段を伝って下へ駆け 降りた。 あの殺し屋か…… 階段の降りていくジェシカの心は怒りに満ちていた。 「あの配達員は?」 ジェシカは一階に降りると、すぐにフロントに尋ねた。 「ほんの少し前に出ましたけど−−」 フロントの従業員が言うが早いか、ジェシカはホテルの外へ飛び 出した。 はっ!!! ところが、ホテルに勢いよく出たジェシカを一つの銃口が待ち構 えていた。 それはホテルの前の車道に止まっていたライトバン。その車の助 手席の窓からはライフルの銃口が飛び出していた。 パーン!!! ライフル銃が火を吹いた。 弾丸は確実にジェシカの左胸に命中するはずだった。だが、飛び 出した勢いでホテルの入口の階段を滑り落ちたために、弾丸はわず かにジェシカの左肩をかすっただけだった。 キイィィィ−− ライトバンは急発進した。 ジェシカは左肩を抑えて、階段の前に倒れていた。 「ジェシカ」 その時、美佳がどこからか現れて、ジェシカの傍に駆け寄ってき た。 「何があったの?」 美佳はジェシカの体を起こした。 「やられたわ……」 「誰に?」 「こうしちゃいられないわ」 ジェシカはよろよろと立ち上がった。 「大丈夫?」 「美佳、いったいどうしてここに」 「あなたに会いに来たのよ」 「一人で?」 「もう一人はバイクよ」 美佳はガードレールに横付けしているバイクの方へ目をやって、 言った。バイクには北条が乗っている。 「バイクを借しなさい」 ジェシカは北条の方へ歩み寄ると、強い口調で言った。 「え?」 北条は困惑した。 「隆司、彼女の言うことを聞いてあげて」 美佳が言うと、北条はバイクを降りた。 「ジェシカ、その代わり私もついていくわよ」 「勝手にすれば」 ジェシカはバイクに乗ると、すぐにも発車しようとした。 「ちょっと待ってよ」 美佳はヘルメットをかぶって、慌てて後ろに乗る。 「行くわよ」 「ええ」 ジェシカはハンドルグリップを握りしめると、ライトバンを追っ て走り出した。 17 逃走する車 午前7時、牧田奈緒美が律子のマンションを訪れた。 「ちょっと遅いじゃない」 玄関で奈緒美を出迎えた律子は、かなり苛立っている様子だった 。 「ちょっと別用でね」 奈緒美はいつになく真剣な表情をしていた。「どうかしたの?」 「大変なの、美佳がいなくなっちゃったのよ」 「学校じゃないの?」 「学校ならそんなに早くうちを出ないわ。きっとジェシカのところ へ行ったのよ」 「ジェシカのところへ−−」 奈緒美の表情が一瞬険しくなった。 「ねえ、どうしよう」 「とりあえずジェシカの泊まっているホテルへ行きましょう」 「じゃあ、すぐに着替えてくる」 律子は急いで自分の部屋の方へ走っていった。 「見つけたわ」 ジェシカは自分を狙った白いライトバンを見つけると、ぽつりと 呟いた。 ジェシカと美佳の乗るバイクが車道に出てから既に20分が過ぎ ていた。車道は平日のわりにはすいていて、信号待ち以外はほとん ど止まることはなかった。 ジェシカのバイクとライトバンとの距離は約三十メートル。間に 二台の乗用車が走っていた。 「ねえ、ジェシカ」 バイクの後ろに乗っていた美佳はジェシカに話しかけた。 「何よ」 「おかしいと思わない?」 「何が」 「私たち、車道に出てから、2度あのライトバンを見失っているわ 」 「だから?」 ジェシカはちらっと後ろを向いて、言った。 「もしあのライトバンが私たちを撒く気があるなら、とっくに撒い てるんじゃない」 「つまり、あのライトバンは私たちをおびき寄せてるってこと?」 「多分」 「ふふ、それならそれでいいじゃない」 ジェシカは微笑んだ。 「駄目よ、相手は殺し屋なんでしょ」 「ここで見失ったら、また狙われるわ。それだったら、ここで一気 に決着を付けるわ」 ジェシカはそういうと、バイクのスピードをさらに上げた。 続く