TR-286 - TR Jr. for DOS/V Version 1.00 Lvl 003 1991/06/23 A.《始めに》  VGAを登載したIBM-PC/AT/PS2及び互換機で漢字を表示する画期的なDOS/Vで すが、漢字フォントをビットマップでVGAのGraphics RAMへ展開する関係上、 仮想VRAM方式をとっています。また日本語テキスト・モードは英語テキスト・ モードと同様、ビデオ・モード03hを使っています。このため英語テキスト・ アプリケーションをDOS/Vの日本語環境下で起動すると、直接VRAMへアクセス しに行くアプリケーション(ほとんどのアプリケーションがこれに相当する) は画面上に何も表示されません。これは通常、英語テキスト・モードVRAMはSe gment B800hにあるのですが、グラフィック・モードに切り替わると物理的に VRAMはAddress A000hへマッピングし且つ、VGA自体の動作が変わってしまうた めです。 兄貴分にあたるTRでは、QEMM-386(tm)を利用しこれらのアプリケーションを 日本語環境下で使用する事ができましたが、残念ながらCPUは80386(SX)以上で 且つ、QEMM-386が必修でした。今回のTR-286では名前の通り、『CPUは80286以 上であれば良く、QEMM-386も必要ありません。』但し、残念ながらアプリケー ション側に制限がつきます。『DesqView(tm)にアプリケーションが対応してい る事』です。DesqViewとはDOSアプリケーションをマルチウィンドウ/マルチタ スク化するシステムで、海外ではかなり有名な物です。TR-286ではこのDesqView の一部をエミュレーションする事により、簡易TR環境を再現する事に成功しま した。 ※ QEMM-386(tm)/DesqView(tm) は米国Quarterdeck, Inc.の登録商標です。 B.《使い方》  TRと違って煩雑な設定は一切ありません。DOS/Vの日本語環境下で、 C:\>TR286[RETUEN] と単純に組み込むだけです。  TR286のコマンド・オプションの書式は、 TR286 [-Option]  または、 TR286 [/Option]  となっています。オプションの内容としては以下の通りです。 [Option] ? 簡単な使い方を表示します R 常駐を解除します r    〃 E INT 10h AH=FEh or FFh 呼出をパスします e INT 10h AH=FEh or FFh 呼出を取り込みます F TR286の作動を一時的に停止します f    〃 N TR286の作動をアクティブにします n    〃 1 ... 9 再表示監視カウンターの設定 (Default=4)  ※ 解除オプション以外は、常駐している状態で動的に変更出来ます。  【例】 C:\>TR286 -? TR286の使い方を表示します。 C:\>TR286 -R TR286をメモリーから解除します。 C:\>TR286 -2 再表示カウンターを2 に設定します。 C.《制限事項》  1.アプリケーションがDesqViewに対応している必要がある。  2.全角文字の上にポップアップ・メニューなどが開くと、下の全角文字が化 ける場合がある。  3.システム・タイマーのINT 1Ch を使っているため、INT 1Chの割り込みハン   ドらーが正しくチェインされていない場合、画面に表示されなくなる。  4.Video Mode 07h(Monochrome Text)には対応していない。  5.半角罫線の化けや25行目のステータス表示はSIM/V付属のCHGFNT/CONV0、   SHIFTON/SHIFTOFFを併用して、各自対策して下さい。 D.《互換性》  手元でチェックしたアプリケーションを下記します。色々調べた所、Micros oft/Borland/PC-Tools系はDesqViewをサポートしていないため、TR286では使え ない様です。 (^^;   The Norton Commander Ver.3.0   The Norton Utility Ver.5.0   The Norton Guide Ver.1.0   TreeView Ver.1.1   PC-Outline Ver.3.3.4   Quarterdeck Manifest Ver.1.0   Telix Ver.3.15 Procomm Plus TEST Drive   Qedit Ver.2.07 List Ver.7.5b Sourcer Ver.2.28 E.《配布条件など》  1.コピー及び使用者についての制限はありません。ソースコードが付属して   いますので、改造/改良は自由に行って下さい。  2.TR286の運用によって生じる直接的または間接的な損害に対しては、責任を 負いかねますのでご了承下さい。  3.「M.Satoh氏」の作品であるTRをベースに、DesqViewエミュレーション機能   を私が付加しTR286としました。                                  以上 MIX/knishika NIFTY/PFG00112 acs/acs05340 PC-VAN/DDE34670  西川和久